フリーランスエンジニアにおすすめの資格とは?取得のメリットと選び方ガイド
- 株式会社MKCソリューション
- 7月25日
- 読了時間: 15分

▶︎1. フリーランスエンジニアに資格は必要?

1.1 資格の有無と実績・コミュ力のバランス
フリーランスエンジニアとして活動するうえで、資格の有無はしばしば議論になります。結論から言えば、資格は「あるに越したことはない」ものの、資格だけでは仕事は取れません。
実際にフリーランスで案件を獲得する際には、以下のようなポイントが重視されます。
過去の実務経験(対応した業種・技術範囲)
コミュニケーション能力(クライアントとの連携力)
納品実績やポートフォリオの充実度
この中で資格はあくまで“補足情報”であり、第一条件にはなりにくいのが現状です。
とはいえ、まったくの未経験分野にチャレンジする場合や、クライアントに客観的なスキル証明を示したいときには資格が役立ちます。
たとえば以下のようなケースです。
新しい言語やクラウドサービスに挑戦するとき
スキル証明が難しい職種(インフラ・セキュリティ系など)
書類選考やエージェント経由での初回提案時
このように資格は「技術を裏付ける名刺代わり」として活用するのがベストです。
よくある失敗としては、以下のようなものがあります。
資格があれば仕事が取れると誤解してしまう
→実績と人柄も重視されるため、資格は入り口に過ぎません。
学んだことを実務で活かさずに終わる
→実務で使ってこそ知識が定着します。
資格ばかり増やしてスキルが伴わない
→資格マニア状態になると、実際の業務で期待外れに思われることも。
「資格は信頼感を高める手段の一つ。実務経験や人間力とのバランスが大事です。」
特にフリーランスの場合は“人に選ばれること”が何より大切です。資格がそのきっかけになるなら、うまく活用したいですね。
1.2 資格取得の一般的メリット(信頼・案件・単価など)
フリーランスエンジニアが資格を取得することで得られるメリットは、思っている以上に多くあります。資格自体は“万能な武器”ではありませんが、次のような場面で効果を発揮します。
たとえば、こんなメリットがあります。
提案時に信頼感が増す
未経験分野の案件に応募しやすくなる
スキル証明として単価アップの材料になる
自分の実力を客観的に把握できる
特に「スキルを証明する手段が少ない分野」では、資格の存在が案件獲得の後押しになります。ネットワーク、インフラ、セキュリティ系などはその典型です。
また、エージェントや企業の担当者は、面談前に書類ベースでスキルを判断するケースがほとんど。そのとき、保有資格があると「この人は基礎力があるな」と思ってもらいやすくなります。
実際、以下のような具体的な影響も見られます。
応募条件に「〇〇資格保有者歓迎」と書かれている案件がある
AWS認定などは、クラウド案件で単価が5〜10%上がる傾向がある
基本情報技術者を取得しただけで、初心者から案件紹介の間口が広がった
このように、「資格を持っている」ことで、まだ見ぬチャンスにアクセスしやすくなるのが最大のポイントです。
ただし注意点として、次のような落とし穴もあります。
資格だけに依存して学習を止めてしまう
→常に技術は進化しているので、取得後の継続学習が大切です。
実務未経験でハードルの高い資格を狙ってしまう
→難易度に合った資格からステップアップするのが賢明です。
取得した資格と希望案件がまったく噛み合っていない
→資格はゴールではなく、案件獲得につなげてこそ意味があります。
「資格は“入り口を広げる道具”。努力を証明し、自信を持つための土台になります。」
無理のない範囲で、自分の進みたい方向に合った資格を1つ持っておくと、フリーランスとしての武器になりますよ。
▶︎2. 資格取得時に押さえたい3つの注意点

2.1 目的を明確にする(案件傾向との整合性)
資格取得を目指す前に、まずは「なぜその資格を取るのか」を明確にすることがとても大切です。
フリーランスエンジニアの場合、資格はあくまで案件を獲得しやすくしたり、実力を証明したりするためのツール。目的をはっきりさせずに勉強を始めると、「資格を取ったけど全然役立たなかった」という結果にもなりかねません。
こんな失敗、ありがちです。
取得した資格が、実際に取りたい案件の条件に合っていなかった
→クラウド案件が希望なのに、データベース系資格を優先してしまう
とりあえず有名だから取ったけど、実務に結びつかない
→その資格が必要とされる現場が限定的だった
複数の資格に手を出し、目的がぼやけてしまった
→結果としてどの分野のスキルも中途半端になる
こうした失敗を防ぐためには、次のようなステップを踏むのが効果的です。
どの分野の案件を狙うかを決める(例:クラウド、インフラ、アプリ開発など)
その分野で評価されやすい資格を調べる
案件紹介サイトやエージェントで実際の条件を確認する
たとえば、最近人気のあるクラウド系案件では「AWS認定ソリューションアーキテクト」が高く評価されることが多く、インフラ運用なら「LPIC」や「CCNA」が強みになります。
「資格取得の前に、自分が目指す案件の方向性を明確にすることが成功の鍵です。」
忙しいフリーランスにとって、勉強にかけられる時間やコストは限られています。だからこそ、資格取得の“目的設計”を先にしっかり固めておくことで、後悔のない選択ができるようになります。
2.2 費用・勉強時間のバランス
フリーランスエンジニアが資格取得を目指すときに見落としがちなのが、「費用と時間のバランス」で
す。
資格試験の多くは、受験費用や参考書代、オンライン講座などに数万円単位での出費が発生します。それに加えて、日々の業務と並行して勉強時間を確保しなければならないため、時間的コストも無視できません。
たとえば、以下のような費用感があります。
資格名 | 受験費用 | 学習目安時間 | 特徴 |
ITパスポート | 約7,500円 | 約50〜100時間 | 初学者向け、汎用性高い |
応用情報技術者 | 約7,500円 | 約200〜300時間 | 広範な知識が必要 |
AWS認定(アソシエイト) | 約15,000円 | 約100〜120時間 | クラウド実務と相性◎ |
オラクルマスター Silver | 約30,000円 | 約150時間 | 専門性高いが費用も高め |
このように、同じ「おすすめ資格」でも、かかるコストはバラバラです。
よくある落とし穴は以下の通りです。
想定以上の勉強時間が必要で、業務と両立できなくなる
→勉強を始めたものの、継続できず中断するパターンです。
受験費用や教材費が高く、途中で見送ることに
→特に複数回受験する必要がある試験では、金銭面がネックに。
時間をかけた割に、実務で役立てる機会が少ない
→目的が不明確だった場合に起こりがちです。
こうした失敗を防ぐには、次のような対策が有効です。
スキマ時間を活用した学習スタイルに切り替える (例:通勤中に動画講座を見る、昼休みに問題集を解く)
受験時期を明確に決めて、学習計画を逆算する (週何時間勉強すれば間に合うかを数値化する)
無料の模擬試験や公式資料を活用して、無駄な出費を抑える
「自分に合った“時間×コスト”のバランスを見極めることが、資格取得成功のカギです。」
忙しいフリーランスだからこそ、無理なく続けられるペースと投資対効果を意識した計画が欠かせません。
2.3 更新や有効期限・試験頻度の見極め
資格を取得する際に意外と見落としがちなのが、「更新制度」や「有効期限」「試験の実施頻度」です。特にフリーランスエンジニアにとって、再受験のスケジュール管理や更新手続きは、仕事との両立に直結します。
資格には、以下の3つのタイプがあります。
一度取得すれば永久に有効なもの
例:基本情報技術者、応用情報技術者(国家資格)
数年ごとに更新が必要なもの
例:AWS認定資格(3年)、LPIC(5年)
定期的に試験日が設けられていないもの
例:年1回の限定開催資格など
この更新制度を事前に知らずに受験すると、せっかく取得した資格が「いつの間にか無効になっていた」という事態にもなりかねません。
よくある注意点はこちらです。
更新費用が別途かかる
→資格によっては再試験、トレーニング受講が必須です。
業務が忙しくて更新のタイミングを逃してしまう
→期限切れになると、また最初から受け直しに。
年に数回しか試験が実施されない資格は、再受験までに期間が空く
→合格を逃すと次回まで長く待つ必要が出ます。
そのため、資格取得を検討するときは、以下のような点も確認しておきましょう。
有効期限はあるか?
更新にかかる費用と手間はどのくらいか?
試験はいつ開催されているか?(通年/年1回など)
「取得後のメンテナンスコストまで含めて考えるのが、賢い資格選びのコツです。」
特に複数資格を取得する予定がある方は、それぞれの更新タイミングを管理するために、カレンダーアプリやタスク管理ツールを活用すると安心です。
▶︎3. レベル別おすすめの資格とその効果

3.1 入門〜基礎:ITパスポート/基本情報技術者
これからフリーランスエンジニアを目指す方、または実務経験が浅い方におすすめなのが、「ITパスポート」と「基本情報技術者」です。どちらも国家資格であり、幅広い基礎知識を証明できます。
ITパスポート(通称:iパス)
ITの基本用語やビジネス知識、マネジメント要素までカバーした、もっとも初心者向けの資格です。IT職種に限らず、営業職や事務職の受験者も多く、汎用性が高いのが特徴です。
試験形式:CBT(パソコン上での選択式)
出題範囲:IT基礎、セキュリティ、企業活動、経営戦略など
試験日:通年実施(好きな日程で受験可能)
学習目安:50〜100時間程度
「ITの世界に入る第一歩として最適な資格です。」
この資格を持っていると、IT業界の基本用語が理解できていることの証明になります。プログラミング経験がない方にもおすすめです。
基本情報技術者試験(FE)
ITエンジニアの登竜門的な資格で、プログラミング、ネットワーク、データベース、情報セキュリティなど、より技術的な内容が含まれます。
試験形式:午前・午後に分かれた選択式
出題範囲:IT全般の技術知識+アルゴリズムやコードの理解
試験日:年2回(4月・10月)またはCBT方式
学習目安:150〜200時間程度
この資格を取得していると、案件選定の際に「基礎力がある」と評価されやすく、未経験〜初級案件への応募がスムーズになります。
こんなITエンジニアに向いています。
IT未経験からフリーランスを目指す方
職業訓練や学習のアウトプット先として資格を活用したい方
初心者案件でも技術的理解を証明したい方
「どちらの資格も、学習コストが低めで“勉強を続ける習慣”づくりにもピッタリです。」
迷ったらまずはITパスポート、次のステップで基本情報技術者を目指すのがおすすめの流れです。
3.2 中級:応用情報技術者/Linux/ネットワークスペシャリスト
基礎をクリアしたら、より実践的な知識を問われる中級レベルの資格に挑戦するのがおすすめです。
■ 応用情報技術者(AP)
IT全般に加え、マネジメントや戦略まで網羅
出題形式:午前・午後(記述式あり)
学習時間の目安:200〜300時間
設計や上流工程を目指す人に最適
■ Linux技術者認定(LPIC/LinuC)
サーバー構築・運用スキルの証明に有効
試験方式:選択式/通年実施
学習時間の目安:100〜150時間
インフラ・クラウド案件と相性が良い
■ ネットワークスペシャリスト
高度なネットワーク知識を問う国家試験
学習時間の目安:250〜300時間
セキュリティや設計業務で強みになる
「中級資格は実務レベルの証明として、単価交渉にも使えます。」
3.3 ベンダー・クラウド系:AWS/シスコ認定/オラクルマスター
特定ベンダー技術に特化した資格は、実務直結型のスキル証明に向いています。クラウドやインフラ案件を目指す方におすすめです。
■ AWS認定(ソリューションアーキテクトなど)
クラウド案件で評価されやすい資格
出題形式:CBT/通年実施
学習時間の目安:100〜150時間
案件によっては資格保有で単価UPも狙える
■ Cisco認定資格(CCNAなど)
ネットワーク構築・運用スキルの証明に有効
グローバルに通用するベンダー資格
学習時間の目安:100〜200時間
インフラ・NW系フリーランスに人気
■ Oracle認定資格(オラクルマスターなど)
データベース運用・設計スキルが身につく
Silver以上で企業からの評価も高い
学習コストはやや高め(受験料3〜5万円)
「ベンダー資格は“即戦力”をアピールできるのが強みです。」
3.4 上級・マネジメント系:プロジェクトマネージャー/ITストラテジストなど
マネジメントや企画寄りの業務に進みたい方には、戦略や管理能力を証明できる上級資格が有効です。
■ プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトの進行管理スキルを評価される国家資格
試験形式:記述式中心で難易度高め
学習時間の目安:250〜350時間
複数人チームや上流工程の案件に強い
■ ITストラテジスト
経営戦略・IT企画力を問われるハイレベル国家資格
企業のCIOやITコンサル的なポジション向け
学習時間の目安:300時間以上
受験者層も上級者が中心
■ その他(システム監査技術者など)
リスク管理・法務・セキュリティ分野に特化
専門分野で差別化したい人におすすめ
「上級資格は実務経験と組み合わせることで、高単価案件の武器になります。」
▶︎4. フリーランスエンジニアが資格を活かせる場面
4.1 営業時の信頼獲得・自己アピールに有利
フリーランスエンジニアにとって、営業活動は避けて通れません。その中で資格は、初対面でも信頼感を得るための強力な武器になります。
■ 書類選考やプロフィール提出時
資格があると「体系的な知識がある」と判断されやすい
クライアントに安心感を与えられる
無資格者との差別化にもなる
■ 面談時の自己PR
実務未経験の領域でも、資格があれば学習意欲の証明に
技術に加え、自己管理能力の高さも伝わる
スキルの根拠として会話に説得力が増す
■ フリーランス初期の信頼補完として
実績が少ない段階でも「資格で土台がある」と印象付け可能
技術+意識の高さをアピールできる
「資格は“自分を選んでもらうための名刺代わり”になります。」
4.2 未経験分野への参入時に役立つ
フリーランスとして新しい分野に挑戦したいとき、実務経験がないと案件獲得のハードルが高くなります。そんなときに資格は、スキル習得と信頼獲得の両方を助けてくれます。
■ 資格があると「基礎は理解している」と判断される
クライアントも未経験者に安心して任せやすくなる
学習履歴の明確な証明になる
■ 案件応募の“足切り条件”をクリアしやすくなる
「AWS認定保有者歓迎」など、条件付き案件に応募可能
フィルターにかかりにくくなる
■ 独学+資格で、経験ゼロでも一歩踏み出せる
実務経験の穴を資格で補える
新領域の仕事を受ける自信にもつながる
「資格は未経験の壁を越える“パスワード”のような存在です。」
4.3 単価交渉や案件選定の判断基準になる
資格は営業時だけでなく、単価交渉や自分に合う案件を見極めるための判断材料にもなります。
■ 単価交渉時に「スキルの証明」として有効
クラウド・セキュリティ系資格は高単価領域で特に重視されやすい
客観的にアピールできるため交渉がスムーズになる
■ 案件条件にマッチするかを確認しやすくなる
「この技術は理解済み」と自信を持って応募できる
案件説明文の技術用語が理解でき、ミスマッチを防げる
■ 継続的なスキル評価の目安にも使える
キャリアの方向性を整理する際に役立つ
自分の強みと弱みを客観視できる
「資格は“納得感ある単価”を引き出す材料にもなります。」
▶︎5. 資格よりも重要なスキルとのバランスの取り方
5.1 ポートフォリオやGitHubと資格の役割の違い
フリーランスとして評価されるには、資格だけでなく“実務力の見える化”も欠かせません。資格とあわせて、ポートフォリオやGitHubの活用が重要です。
■ 資格の役割
知識や理論を証明する「スキルの土台」
書類選考や営業時に信頼感を高める
初学者や未経験分野への足がかりになる
■ ポートフォリオの役割
実際に作ったアプリやサイトで「技術の応用力」を伝える
視覚的にスキルが伝わりやすく、差別化しやすい
■ GitHubの役割
コードの質や更新頻度から「開発力・継続性」が見える
チーム開発経験のアピールにもなる
「資格=知識、ポートフォリオ=実績、GitHub=習慣」この3つをバランスよく揃えるのが理想です。
5.2 スキルアップと資格取得の優先順位の考え方
限られた時間とリソースの中で、「学習の優先順位をどう決めるか」はとても大切です。資格ばかりに集中してしまうと、実務スキルの習得が遅れてしまうこともあります。
■ 実案件での経験が最優先
フリーランスでは「動くコード」や「納品実績」が最も評価されやすい
学習はアウトプット前提で考えると定着率もアップ
■ 資格は学習計画に組み込む形が理想
目的が明確な資格だけを狙う
案件と連動させるとモチベーションが続きやすい
■ 時期ごとのバランス調整が重要
案件が落ち着いている時期に資格学習を集中
忙しい時はポートフォリオ強化や短期学習にシフト
「資格取得はゴールではなく、“案件に生かせる知識”を得るプロセスとして捉えることが大事です。」
▶︎6. まとめ
資格取得はフリーランスエンジニアのキャリアを支える大事な要素ですが、選び方にはコツがあります。以下のポイントを押さえると効率よくスキルアップできます。
■ 自分の目指す案件や分野に合った資格を選ぶ
クラウドならAWS、ネットワークならCCNAなど明確に
無理に難しい資格を狙わず段階的に挑戦する
■ 勉強時間・費用・更新頻度を考慮する
継続できる範囲で計画的に進めるのが成功の秘訣
更新負担の軽い資格も選択肢に入れる
■ 実務経験やアウトプットとバランスをとる
資格だけでなくポートフォリオ作成や実務経験を並行する
実践で使えるスキルを常に磨く意識が必要
「目的を持って計画的に資格取得を進めることが、フリーランス成功のカギです。」
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